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ブランドロゴデザイン ・ 店舗デザイン ・ 商品パッケージデザイン・ 商品販促物デザイン ・ 他

ヒトツブカンロのロゴのデザイン、カンロ株式会社の飴ブランド。
「ヒトツブカンロ」というブランド名も考えました。

新しい店舗のギフト向けの商品のデザインをして欲しいというご依頼。
ブランド名を尋ねたところカンロ株式会社のお店とは結びつかない、カタカナの名称候補をいくつか伺いました。

依頼通りの関わり方だと1店舗だけのお仕事にデザイナーが複数関わることは燃費も悪く、ブランドイメージも散漫になりそうだし、しかも歴史あるカンロさんのイメージに全く結びつかないブランド名。
結果的に立ち上げてもカンロさんにとって、飴業界、世の中においても、意味ある仕事にならないんじゃないかなと思い、ダメ元で、ブランド名とロゴ、コンセプト、そこから派生する商品デザインや構成、カンロ株式会社にとって、新しいブランドをどう活用するかという事を一式を提案することにしました。

どうしてブランド名を提案したか。
なぜイメージに結びつかないブランド名を検討しているのか伺ったところ、
(自分の魅力は?と聞かれて中々答えづらいのと同じで、自分の会社の魅力はここです〜と自信満々で相談に来られる方はむしろ少なく、ネガティヴなイメージで覆われていることがほとんどです。)
カンロはカンロ飴の古臭いイメージなので、名前を出したくない、外国語風でオシャレに!と考えられていました。

ブランディングの仕事は「魅力を整え伝える事」だと思うのですが、自分たちのことになればなるほど、他から見たら素晴らしい魅力が客観視できなくなるもので、
そこで他人の私ができることは元々持っている魅力を再確認し自信を持たせてあげることと、
その魅力が人に伝わっていない事を自覚して伝え方を考えなければいけないという事を理解してもらうことです。

カンロ株式会社には、60年以上愛される老若男女知っているカンロ飴や、お菓子売り場に革命を起こしたピュレグミがあったり、のど飴を一番初めに医療用ではなく販売し始めたのもカンロさん、それら全てロングセラー。
そして何よりお菓子メーカーとして100年以上、食品としての安全性に注力し、大きな事故もなく愛され続け、積み上げてきた信用は一朝一夕では作れるものではありません。

こうやって書くと、ものすごく魅力的な世の中で信用を得ている会社に見えますが、立ち上がり時にはそれが自社の魅力だと自覚されていませんでした。

他にも沢山の魅力があるのですが、
そんな素晴らしい会社なんだから自信を持って、カンロの今まで積み上げてきた信用を捨てる必要はなく、カンロのブランドだとすぐにわかるように「カンロ」の名前を入れましょう、しかもどこの誰だか分からないブランドより、信用あるカンロのお店とわかった方が、商品を手に取りやすいというのもあります。
心配の古臭さは、デザインで新しいイメージを作っていくことができますと提案しました。
カンロが入った名前をいくつか提案した中から「ヒトツブカンロ」が選ばれました。

ブランディングのお仕事は特に自分たちの作っているものや仕事に自信を持ってもらうということから初まりますが、
これは一瞬ででできることではなく、カンロさん然りトライ&エラーを繰り返し、変える場所と残していく場所を常に冷静に判断し、最低でも4、5年という単位で愚直に時間をかけるという覚悟と忍耐をもって粛粛と続けていくことで積み上がっていくものだと思います。
あとは、やっぱり商品なら多く売れる、それ相応のことが生まれることは大きな自信につながります。

デザイン大好きで、デザインの仕事をしていますが、作るデザインが効果的に機能するためにもデザイン以外の仕事が、本当に大事だなと思います。

具体的に作ってきた仕組みなどここでは全て書ききれませんし、私1人の力ではありませんがこのお仕事は、関わる全員がブランドや自分の仕事に自信を持つことができ、ヒトツブカンロのような仕事がしたいというカンロさんへの入社希望者が生まれたり、ヒトツブカンロみたいなデザインの仕事をしたいと言っていただけるようにもなり、誰から見ても魅力的なブランドへの成長をデザインの力を基に支えてこれたと思っています。
そして私自身も大きく成長できたお仕事の一つです。

ヒトツブカンロのお仕事は、退社時にドラフトで一緒にデザインをしてくれていた後輩の小山麻子にADを引き継ぎました。小山さんがADとして力を発揮できる仕組みも残していったつもりですので、ますます魅力も高まると思います!引き続き小山麻子がADを務める新生ヒトツブカンロの応援よろしくお願いします。

大きな話に聞こえるかもしれませんが、人の命には限りがあり(何か立ち上げるというお仕事の場合それくらい長くつづくという覚悟で考えます)、ブランディングの仕事は、自分が関わらなくなっても、スタッフが全員入れ替わってしまっても、世の中で意味を果たせるブランドとして存在し続けられる人頼りではない仕組みを作ることなのではないかなと思います。

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全て私が伺った記憶を頼りに書いていますので
カンロさん情報に関して事実とは異なる内容があったらごめんなさい。

AD.D: Akiko Sekimoto

2020.2.1

​→ ヒトツブカンロのデザインのページ